Mason-Likar法
Mason-Likar法とは、運動中の心電図を記録するために四肢電極を体幹につける方法です。
右手・左手の電極は三角筋の内側で鎖骨窩の鎖骨の下2cmのところに、左足電極は前腋窩線上の肋骨弓と腸骨稜との中間に置きます1)。

四肢電極が心臓に近い位置にあるので、標準12誘導法に比較するとⅡ,Ⅲ,aVF誘導の電位が大きくなり、I誘導の電位が小さくなり、電気軸が垂直位になりやすいです。
M-L法においてⅡ,Ⅲ,aVF誘導の電位が大きく記録されるため、Ⅱ,Ⅲ,aVF誘導における運動誘発ST下降は偽陽性が多いです。
また下壁誘導の異常Q波がマスクされる傾向にあります2)。
1)A new system of multiple-lead exercise electrOcardiOgraphy.Am Heart J1966;71:196-205
2)標準12誘導とMason-Likar誘導の臨床心電図比較検討.心電図1987;7:205-211