Shark fin sign
Shark fin signは巨大なR波がST部分およびT波と融合し、サメの背びれ(shark fin)に似た波形を呈したものを指します。QRS波・ST部分・T波が明確に区別できなくなり、一つの大きな三角状の波形に見えます。Triangular QRS-ST-T waveformやLambda(ラムダ) waveと呼ばれることもあります。

原因
原因として最も多いのは急性冠症候群で、左冠動脈主幹部や左前下行枝近位部の閉塞・高度狭窄による広範囲虚血です。ST上昇型心筋梗塞の約1.4〜1.7%程度と頻度が低く、広範囲・高度の貫壁性虚血を反映します。
その他、たこつぼ心筋症、急性大動脈解離、心筋炎・心膜炎関連などで報告されています。広範囲心筋障害を示唆するため、心室細動や心原性ショックのリスクが高く、院内死亡率が有意に上昇します。
心電図所見

通常の心電図では、QRS波とST部分とT波は時間的に分離しています。ところが広範囲の重症心筋虚血になると、心室の脱分極・再分極の時間的・空間的な関係が大きく変化します。その結果、QRS波の終末部からST部分、さらにT波までが連続した巨大な電位変化として記録されると考えられています。つまり、単純にST部分が異常に高いというより、QRS-ST-Tという本来別々に存在する波形が一つの巨大な波として融合してしまった状態です。

Shark fin signを振幅≧1mVの巨大な単一波で、QRS波、ST部分、T波が融合して三角形の形態を示すものと定義している報告もあります2)。

