右脚ブロック right bundle branch block:RBBB
脚ブロックとは、左脚あるいは右脚の
・興奮伝導時間の延長
・伝導が途絶した状態
・伝導が途絶した状態
をいいます。

完全右脚ブロックの診断基準
完全右脚ブロックの診断基準
・1.QRS持続時間は、成人で120ms以上、4~16歳の小児で100ms以上、4歳未満の小児で90ms以上
・2.リードV1またはV2におけるrsr′、rsR′、またはrSR′。r′またはr′の偏向は、通常、初期のR波よりも広い。少数の患者では、幅が広く、しばしば切り欠きのあるR波のパターンがリードV1and/or V2で見られることがある
3.成人のリードIとV6では、R波よりも大きな持続時間のS波、または40ms以上の持続時間のS波
4.リードV5とV6の正常なRピークタイムが、リードV1で50ms以上
・2.リードV1またはV2におけるrsr′、rsR′、またはrSR′。r′またはr′の偏向は、通常、初期のR波よりも広い。少数の患者では、幅が広く、しばしば切り欠きのあるR波のパターンがリードV1and/or V2で見られることがある
3.成人のリードIとV6では、R波よりも大きな持続時間のS波、または40ms以上の持続時間のS波
4.リードV5とV6の正常なRピークタイムが、リードV1で50ms以上
上記の基準のうち、最初の3つが存在していれば診断が可能である。V1にノッチの有無にかかわらず純粋な支配的なR波が存在する場合、基準4を満たす必要がある1)。
不完全右脚ブロック診断基準
不完全右脚ブロック(imcomplete RBBB)の診断基準
・成人では110~120ms、4~16歳の小児では90~100ms、8歳未満の小児では86~90msのQRS持続時間
その他の基準は完全RBBBと同様です1)。
右脚ブロックは一般に左脚ブロックに比べて問題のないことが多く,ほかに心機能異常のない右脚ブロックの予後は良好です。治療は右脚ブロック自体には不要です。
1)Current Considerations. Curr Cardiol Rev. 2021;17(1):24-30.