Wenckebach型Ⅱ度房室ブロックとは?

Wenckebach型Ⅱ度房室ブロック(Wenckebach second degree atrioventricular block)

Wenckebach型Ⅱ度房室ブロック
文献1より Wenckebach型Ⅱ度房室ブロック 

Wenckebach型Ⅱ度房室ブロックはⅡ度房室ブロックの一つです。

ウェンケバッハ型

PQ間隔が徐々に延長してQRS波が脱落します。PP間隔は一定です。

Wenckebach型Ⅱ度房室ブロック(Wenckebach second degree atrioventricular block)

QRS波が脱落するタイミングはP:QRSが3:2や4:3など様々です。(上図は3:2ブロック)

房室結節の周囲には交感神経、副交感神経が発達しており、副交換神経が過緊張を起こすことで房室結節の減衰伝導に影響を及ぼすことで伝導遅延が生じることで出現するとされています。房室結節にはもともと減衰伝導特性が備わっているため健常者でも生じうる機能的ブロックです。

PQ間隔が徐々に延長するのに対して、RR間隔は徐々に短縮します。PQ間隔が延長するのでRR間隔も延長すると思われがちですが、ラダーグラムを用いるとどのようにしてRR間隔が徐々に短縮しているのか理解しやすくなります。徐々にPQ間隔の延長の程度が小さくなることが原因となっています。

Wenckebach型Ⅱ度房室ブロック(Wenckebach second degree atrioventricular block)

名前の由来

1899年にWenckebach博士が房室結節の異常による不整脈として発表したことからWenckebach型と呼ばれています2)

参考文献

1)The Wenckebach Phenomenon. Curr Cardiol Rev. 2021;17(1):10-16.

2)On the analysis of irregular pulses. Z Klin Med 1899; 37: 475-88.

書籍

今さら聞けない心電図 P142-143

心電図マイスターによる3→1級を目指す鑑別力grade up演習 P43-45

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