BRASH症候群
BRASH症候群とは、Bradycardia(徐脈)、Renal failure(腎不全)、AV nodal blockade(房室結節遮断)、Shock(ショック)、Hyperkalemia(高カリウム血症)の頭文字を取った症候群です。

主に高齢者や多剤併用・多疾患合併の患者で発生しやすい症候群であり、β遮断薬・非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬などの房室結節遮断薬を服用している患者で、軽度〜中等度の腎機能低下や高カリウム血症が加わると、徐脈が極端に強くなり、心拍出量低下→腎血流低下→腎不全悪化→高カリウム血症増悪+内服薬の排泄障害→さらに徐脈悪化という悪循環が急速に進行します。脱水、感染、下痢・嘔吐、利尿薬増量、NSAIDs使用、ACE阻害/ARBの継続などによる急性腎障害が引き金になることが多いです1)。

心電図所見

重度の洞徐脈、接合部調律、心室固有調律、完全房室ブロックなどが見られ、高カリウム血症の典型的なテント状T波やQRS拡大などは軽度または見られない場合が多く、徐脈の程度がカリウム値に比べて不相応に重度であることが特徴です。これは、6.0〜7.0mEq/L程度の中等度の高カリウム血症でも、房室結節遮断薬との相乗効果で重篤な徐脈を引き起こからです。

参考文献
2)BRASH Syndrome: A Case Report. Am J Case Rep. 2022 Jan 21;23:e934600.
