右方偏位(dextroposition)
右方偏位とは、心臓が右胸腔側に偏って位置している状態を指します。 心臓全体が右に移動・偏位しており、心基部から心尖への軸は、左方向を保っています。心腔内の左右関係、心房・心室の位置関係は一般的に正常です。これに対して、右胸心は心臓が右胸腔側に位置していますが心尖が右を向いている状態を指します。そのため右方偏位は右胸心の定義には当てはまらず、偽性右胸心(pseudodextrocardia)ともよばれています1)。

主な原因
右方偏位の原因は後天性と先天性に分けられます。後天性は右肺切除後や右無気肺が、先天性の場合は右肺低形成が代表的です。

心電図所見

全体として右に寄った正常心に近い波形になります。右胸心との鑑別が重要になります。

Ⅰ誘導
右方偏位では心臓の構造は正常であり心房の興奮ベクトルも通常と同じになるのでⅠ誘導のP波は陽性です。鏡像型右胸心では心臓の構造が反転しているのでⅠ誘導のP波は陰性になります。

左側胸部誘導
心臓が右側に偏位しているので左側胸部からの距離が遠くなります。そのため左側胸部誘導(V5-V6)の波形の振幅が小さくなり低電位になりやすいです。


