心拍数(heart rate)
心拍数とは、1分間に心臓が拍動する回数のことです。単位は「回/分」や「bpm(beats per minute)」で表します。他にも「/分」、「拍/分」と表記されることがありますが、日本では「回/分」が標準的です。心拍数の測定は心電図が最も正確です。
脈拍数(pulse rate)
心拍数と似た言葉に脈拍数がありますが両者は異なります。心拍数は心臓が実際に収縮した回数、脈拍数は末梢で触知できた拍動数と定義されています1)。

心拍数と脈拍数は必ずしも一致せず、両者が一致しない現象を脈拍欠損(pulse deficit)と呼びます。原則として、心拍数より脈拍数が多くなることはありません。これは、脈拍は心室収縮によって生じた動脈圧波を末梢で触知したものだからです。1回の心室収縮から生じる圧波は1つであり、1回の収縮から2回以上の末梢脈拍が生じることは通常ありません。
・心拍数 = 脈拍数:正常で最も多いです。
・心拍数 > 脈拍数:脈拍欠損(pulse deficit)。心房細動、頻拍性不整脈、頻発する期外収縮、重度の心不全などで、一部の心室収縮が十分な拍出量を生じず、末梢まで脈波が届かない場合に起こります。
・心拍数 < 脈拍数:生理学的には通常起こりません。測定や解釈の問題(ダブルカウントなど)で生じます。
計算方法
心電図から心拍数を計算して算出する方法はいくつかありますが代表的なものを紹介します。紙送り速度が25mm/秒であることが前提になります。
300÷大きいマスの個数
大きいマス1個は0.2秒であり、これを基準にして心拍数を計算します。仮にRR間隔が大きいマス1個分とすると、60秒÷0.2秒=300になり心拍数は300回/分となります。よって、300を基準としてRR間隔が大きいマスが2個分なら300÷2=150回/分、3個分なら300÷3=100回/分となります。マスが大きいためおおよその心拍数にはなりますが、「300÷大きいマスの個数=心拍数」となります。
1500÷小さいマスの個数
小さいマス1個は0.04秒であり、これを基準にして心拍数を計算します。仮にRR間隔が小さいマス1個分とすると、60秒÷0.04秒=1500になり心拍数は1500回/分となります。よって、1500を基準としてRR間隔が小さいマスが2個分なら1500÷2=750回/分、3個分なら1500÷3=500回/分となります。マスが小さいためより細かい心拍数を計算することができ、「300÷大きいマスの個数=心拍数」となります。
10秒間の波形数×6
心電図の記録用紙では10秒間の波形を記録しています。よって、記録されたQRS波の数を6倍することで60秒間の波形数を求めることができ、これが心拍数になります。

