近接効果とは?

近接効果(proximity effect)

近接効果とは、記録電極と特定の心筋領域の距離が近いほど、その部分の電気活動が体表面電位に強く反映され、振幅が大きくなる現象を指します1)。つまり、ある誘導で記録された波形は心臓全体の電気活動を均等に見ているのではなく、電極に近い部分の活動が相対的に強く見えているということです。これは特にV1〜V6のような胸壁上の電極で重要です。

近接効果(proximity effect)

近接効果とは、記録電極と特定の心筋領域の距離が近いほど、その部分の電気活動が体表面電位に強く反映され、振幅が大きくなる現象を指します1)。つまり、ある誘導で記録された波形は心臓全体の電気活動を均等に見ているのではなく、電極に近い部分の活動が相対的に強く見えているということです。これは特にV1〜V6のような胸壁上の電極で重要です。

距離

ある心筋領域が作る電位は電極までの距離の影響を受け、「電位∝電気活動/距離​」のような反比例の関係があります。電位は距離が離れるほど減衰するため(理想的な双極子モデルでは距離の2乗に反比例する)、電極が近い部位の起電力の影響が相対的に大きくなります。

冠灌流摘出心を用いた実験では、電位が心臓までの距離とほぼ線形な関係を示し、1cm接近するごとに表面電位が約22%増加することが報告されています2)。胸部誘導ではこの影響が顕著で、やせ型の人や胸郭前後径が短い場合にR波が増高して高電位になりやすい一因にもなります。

近接効果(proximity effect)

実際の人体では胸郭・肺・心筋などが複雑な容積導体(volume conductor)を形成するので、距離に対する単純な反比例だけではありませんが、基本的な考え方としては、距離が近いほど影響が大きく、距離が遠いほど影響が小さくなります。

近接効果(proximity effect)

例えばV1は右前胸部にあります。したがって、V1に近い右室・右室流出路などの電気活動は、心臓の反対側にある左室後壁などよりも、V1の電位に強く影響します。一方、V6は左側胸壁にあるので、左室側壁の電気活動の影響を比較的強く受けます。ただし、これはV1は右室だけ、V6は左室だけを記録するという意味ではなく、実際には心臓全体の電気活動の総和を記録しています。その中で、近くにある電気活動の影響が相対的に大きくなるというのが近接効果です。

近接効果(proximity effect)

文献

1)A lead system designed to record proximity effects on the praecordial electrocardiogram. Br Heart J. 1967 Jan;29(1):51-9.

2)Basic study on the transfer characteristics of cardiac potentials using a coronary-perfused excised heart preparation. Shinzo. 1985;17(7):717-726.

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