心室瘤(aneurysm)
心室瘤とは、心室壁の一部が菲薄化して瘤状に突出した状態です。ほとんどが心筋梗塞後の合併症で、左室心尖部〜前壁に好発します。大きく真性心室瘤と仮性心室瘤(偽性心室瘤) に分かれ、臨床的意義がまったく異なります。

心電図所見
異常Q波・ST上昇

心室瘤の心電図所見として異常Q波+持続性ST上昇が古典的パターンです。陳旧性心筋梗塞で異常Q波のある誘導にST上昇が数週間以上持続する場合に心室瘤を疑います。ただし感度が低く、ST上昇がなくても心室瘤が存在する例も少なくありません。

二相性T波

虚血性心疾患の心室瘤でV2〜V4のT波が陽性→陰性(plus-minusパターン)の二相性である場合、感度91%、特異度91%で「持続性ST上昇+異常Q波」より精度が高いとする報告があります2)。

El-Sherif sign

左室心尖部の心室瘤では、V3–V6、I、aVL誘導にrsR′(またはrSr′、rSR′)パターンが出現することが報告されています3)。最初の報告者であるNabil El-SherifにちなんでEl-Sherif signと呼ばれています4)。
参考文献
4)The rsR’ pattern in left surface leads in ventricular aneurysm. Br Heart J. 1970 Jul;32(4):440-8.
