徐脈性心房細動(bradycardiac atrial fibrillation)

心拍数は房室結節の伝導性に影響され、伝導性が低下しているほど心拍数は低下して高度な徐脈を呈します。徐脈性心房細動の徐脈は房室結節の伝導障害が原因と考えられています2)。

心電図所見
徐脈性心房細動では心房細動の特徴である(1)不規則なRR間隔、(2)明瞭なP波の欠如、(3)細動波に加えて心拍数50/分未満の徐脈となっています。

徐脈性心房細動においてRR間隔が延長した場合に補充収縮が見られることがあります。しかし、心房細動では元々RR間隔が不整であるためRR間隔のみで補充収縮を判断することは難しいです。

長いRR間隔の後に元の波形と異なるQRS波があれば補充収縮を疑い、心房細動でRR間隔が等しくなる可能性は極めて低いことから、複数箇所で同じRR間隔+元の波形と異なるQRS波形があれば補充収縮と考えます。

参考文献
2)Histologic features of the conduction system of atrial fibrillation with slow ventricular response. Jpn Heart J 1994 ; 35 : 203-204
書籍
今さら聞けない心電図 P75
心電図のみかた、考え方 基礎編 P130-138


