減衰伝導(decremental conduction)
前の刺激から次の刺激が入るまでの時間(連結期)が短くなると興奮の伝導時間が長くなることを減衰伝導といいます。
房室結節や洞結節などに特徴的な伝導特性であり、減衰伝導特性(decremental conducting properties)と呼ばれます。
房室結節は心房細動など心房が高頻度に興奮する際に心室に伝わる興奮を減衰させることで心室の収縮頻度が増えすぎないように調節しています1)。減衰が弱いと上室性の頻拍が生じた場合には心拍数が早くなりすぎて心室から血液を送り出せなくなりますし、逆に減衰が強すぎると房室ブロックが生じて徐脈となり循環が破綻します。
電気生理検査で心房を電気刺激する間隔(A1A2)を短くしていくと、心房からヒス束へ興奮が伝わる時間(A2H2)が延長していきます。