「捨てる心電図拾う心電図」を本音レビュー

心電図をたくさん勉強していても、実際の臨床で心電図を見ると判断に迷うことがよくあると思います。これは虚血なんだろうか?心電図所見はわかるけど専門医にコンサルトした方がいいのか?教科書みたいにクリアカットな心電図の方が珍しいかもしれません。

参考書にみたいな典型的な波形ならわかるんですが

実際の臨床では悩ましい心電図の方が多いですよね
結論
買うべき人
・心電図はある程度読めるけど悩むことが多い人
・コンサルトが多すぎる人
・全部把握できていないと不安な人
買わなくてもいい人
・基本波形すら怪しい人
・演習量を確保したい人
・理論・電気生理学を深掘りしたい人
最大の魅力3選
「その先、どうする?」の判断力が劇的に身につく

「すぐ拾う(即時対応・専門医送り)」「あとで拾う(経過観察)」「捨てる(無視OK)」の3分類で62例を解説し、現場の優先順位付け思考をダイレクトに体感できます。心電図読影の難しさは「所見を知ること」ではなく「拾う?捨てる?ゆっくり?」の対応選択にある、というのが本書の核心テーマです。 心電図所見とその後の対応に関して、まさしく現場での思考過程を体感することができます。
対話形式の掛け合いが楽しくて読みやすい
教科書っぽくないゆるいトーク+本音ディスカッションで、62例を1例3〜4ページでサクサク進みます。心電図の重い勉強が小説を読むように進むので、心電図が苦手な人でも挫折しにくいです。村川先生の「わからないものはわからない」などの潔さやユーモアが記憶に残りやすいですし楽しいです。

村川先生が心電図から◯◯を言い当てたのは驚きでした!
実臨床の微妙な心電図への対応がリアルに学べる
典型パターンではなく、日常でよく悩む微妙・グレーゾーン(ST変化の総合判断、T波まで見る虚血評価など)を中心に扱い、過剰診断を避けるバランス感覚を養えます。「全部拾うことはできないが、どこまで対応すべきか?」という現実的な視点が、第一線診療のジェネラリストにぴったりでで、パターン本を超えた臨床判断力アップに直結します。
注意すべきポイント
体系的・網羅的な学習には向いていない
62例が「すぐ拾う」「あとで拾う」「捨てる」の分類でランダムに並び、対話形式で進むため、基礎から順序立てて学びたい人には論理的につながりにくいです。入門〜中級の教科書のように「波形→機序→診断→対応」の流れを求める人には向きません。
初心者にはハードルが高く、上級者には内容が軽め
基礎波形の意味や頻出パターンをある程度前提としているため、心電図ほぼゼロの完全初心者には何を捨ててるのかわからない状態になってしまいます。上級レベルになると知ってる判断の再確認止まりになってしまう可能性があり、全体的に初級〜中級者向けの本と言えるでしょう。
まとめ
この本の最大の魅力は心電図の「その先、どうする?」を本音で教えてくれる点であり、 波形を勉強するだけではたどり着けないその一歩先にお二人の先生が導いてくれる一冊です。


