ベラパミル感受性心室頻拍(verapamil-sensitive idiopathic left ventricular tachycardia)

ベラパミル感受性心室頻拍については1981年にBelhassenらによってベラパミルへの感受性が報告されました2)。頻拍回路の一部にプルキンエ線維を含むマクロリエントリー性頻拍と考えられています3)。器質的心疾患を伴わない特発性心室頻拍(ILVT)に含まれます。

ベラパミル感受性心室頻拍は興奮部位によって左脚後枝型、左脚前枝型、上中隔型、後乳頭筋型、前乳頭筋型に分類されています4)。さらに、左脚後枝型を逆に旋回するreverse型も報告5)されており6型に分類されています。最も多くみられるものが左脚後枝領域に回路の出口を有する左脚後枝型で、右脚ブロック+左軸偏位(上方軸)を呈します。

頻拍回路にプルキンエ線維を含むためQRS幅が130〜160msecと比較的narrowとなり、ベラパミルで頻拍停止、頻拍周期延長します。ベラパミル感受性と呼ばれていますが、ベラパミルのみではなく他の抗不整脈薬にも反応します。カテーテルアブレーションの成功率も比較的高いです。

参考文献
書籍
心電図判読のスタンダード P1301-1304
そのPVCはどこから? P76-82
心電図マイスターを目指す基礎力grade up講座 P77