交流障害とは?

交流障害(powerline interference, hum)

交流障害(powerline interference, hum)
文献1より 交流障害によるノイズ

交流電流は一定の時間間隔で電気の流れる向きや電圧が変化するもので一般的に利用されている電流です。交流障害では高さと幅が一定した規則的な細かいノイズが心電図上に出現します。周波数は50Hzまたは60Hzであり、使用する交流電源の影響で東日本は50Hz、西日本は60Hzになります。

交流障害(powerline interference, hum)

交流障害のおもな混入経路は、電源配線などから漏れた電流が床やベッドを通して心電計に混入する漏洩電流、電源の配線が原因の静電誘導、電気機器などから発生する磁力線が原因の電磁誘導の3つが考えられます。

交流障害はハムとも呼ばれ、ノイズを除去するためにハムフィルタが使用されます。50Hzまたは60Hzの特定の領域の周波数をカットします(バンドパス(カット)フィルタ)。高周波を除去するフィルタなので高周波成分を含むQRS波の振幅が低くなる場合があります。

交流障害(powerline interference, hum)

ハムフィルタはACフィルタとも呼ばれ、交流の英語がAC(Alternating Current)であることに由来します。ちなみに病院で使用される除細動器をDCと呼びますが、これはDirect Currentの略で”直流”除細動器のことです。

参考文献

1)Signal Processing Techniques for Removing Noise from ECG Signals. J Biomed Eng Res 2019 3:101

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