Wellens症候群(Wellens syndrome)
不安定狭心症の中で、胸痛が消えた後に前胸部誘導で T 波に心電図変化を示す症候群です1,2)。

診断基準
①V2−3誘導(時にV1−6誘導まで及ぶ)に深い陰性T波か2相性T波が存在すること
②ST上昇はしていないか最小限にとどまること(1 mm 以下)
③前胸部誘導に Q 波がないこと
④前胸部誘導で R 波が維持されていること
⑤最近の胸痛が存在すること
⑥胸痛を一度自覚した後の症状が消失した時間帯に心電図変化があること
⑦心筋逸脱酵素は正常かわずかな上昇であること
②ST上昇はしていないか最小限にとどまること(1 mm 以下)
③前胸部誘導に Q 波がないこと
④前胸部誘導で R 波が維持されていること
⑤最近の胸痛が存在すること
⑥胸痛を一度自覚した後の症状が消失した時間帯に心電図変化があること
⑦心筋逸脱酵素は正常かわずかな上昇であること

T波の変化は2パターン
Wellens症候群は2つのパターンが報告されています4)。
・深いT波変化をきたすタイプ(タイプ 1 、タイプ B)→ 76%
・2相性T波を呈するタイプ(タイプ 2 、タイプ A)→ 24%
・2相性T波を呈するタイプ(タイプ 2 、タイプ A)→ 24%
後者の2相性T波の変化はより見過ごされやすいです。
3)Electrocardiographic manifestations of Wellensʼ syndrome. Am J Emerg Med 2002;20:638-643