フィルタ(filter)
フィルタとは心電計に搭載されている機能であり、特定の周波数の波形を減衰させることができます。これによりノイズを除去して本来の心電図波形を表示することができます。代表的なフィルタとしてハムフィルタ、筋電図フィルタ、ドリフトフィルタがあります。

種類
フィルタはローカットフィルタ、ハイカットフィルタ、バンドパスフィルタの3種類に大きく分けられます。
ローカットフィルタ(low cut filter)
ローカットフィルタは基準とする周波数より低い(low)周波数の波形を減衰(cut)させるフィルタのことです。言い方を変えると、基準とする周波数より高い(high)周波数の波形をそのまま通過(pass)させるのでハイパスフィルタ(high-pass filter)とも呼ばれます。

ドリフトフィルタはローカットフィルタを利用しており、周波数の低い基線の揺れを減衰させています。

ハイカットフィルタ(high cut filter)
ハイカットフィルタは基準とする周波数より高い(high)周波数の波形を減衰(cut)させるフィルタのことです。言い方を変えると、基準とする周波数より低い(low)周波数の波形をそのまま通過(pass)させるのでローパスフィルタ(low-pass filter)とも呼ばれます。

筋電図フィルタはハイカットフィルタを利用しており、筋電図による周波数の高い波形を減衰させています。

バンドパスフィルタ(band pass filter)
バンドパスフィルタは特定の領域(バンド)の周波数の波形のみを通過(pass)させるフィルタのことです。言い方を変えると、特定の領域の周波数以外の周波数の波形は減衰(cut)させるのでバンドカットフィルタ(band-cut filter)とも呼ばれます。

ハムフィルタはバンドパスフィルタを利用しており、交流障害による特定の周波数(50Hzまたは60Hz)の波形を減衰させています。
