たこつぼ心筋症(Takotsubo Cardiomyopathy)
たこつぼ心筋症は「たこつぼ症候群」とも呼ばれ、精神的・肉体的ストレスがきっかけとなり、心臓の収縮機能が一時的に低下し、胸痛などの症状が出現する疾患です。心尖部の収縮低下、心基部の過収縮から「蛸壺(たこつぼ)」のような形をとることから名付けられました。

心電図所見

ST上昇

たこつぼ心筋症ではST上昇が見られます。同じくST上昇が見られる急性心筋梗塞との鑑別が難しいですが、両者のST上昇の分布には違いがあり、たこつぼ心筋症ではV1でのST上昇がほとんど見られません1)。理由としては、心基部であるV1まで壁運動異常が及ばない、好発の高齢女性はSTレベルが元々低い、などが考えられています。

陰性T波

QT延長


参考文献
1)Electrocardiographic changes in Takotsubo cardiomyopathy. J Electrocardiol. 2021 Mar-Apr;65:28-33.

