非持続性心室頻拍(Non-sustained ventricular tachycardia: NSVT)

非持続性心室頻拍(NSVT)は心室頻拍の一つであり、長時間持続せずに自然停止するのが特徴です。
心電図所見
NSVTは日本循環器学会のガイドラインでは以下のように定義されています2)。
持続時間が30秒より短く、自然停止する心室頻拍

NSVTの定義は普遍的なものではなく、文献によっては125拍/分または120拍/分で16拍の連続と定義されたり、15秒の時間カットオフを使用したり、あるいは厳密に定義された診断基準がない場合もあります3)。一般的には3連発以上の心室期外収縮の連続で、周期が100拍/分以上と定義されることが多いです4)。

鑑別
心室期外収縮

単発、2連発までの心室期外収縮は心室頻拍には分類されませんが、3連発以上の心室期外収縮はNSVTに分類されます。ちなみに、2連発の心室期外収縮を「couplet」、3連発の心室期外収縮を「triplet」と呼ぶこともあります。

持続性心室頻拍
非持続性心室頻拍は持続時間が30秒未満ですが、30秒以上持続する心室頻拍は持続性心室頻拍に分類されます。

参考文献
3)Nonsustained ventricular tachycardia. J Am Coll Cardiol. 2012 Nov 13;60(20):1993-2004.
4)2022年改訂版 不整脈の診断とリスク評価に関するガイドライン