交代性脚ブロック(Alternating bundle branch block)
交代性脚ブロックは3枝ブロックの一種であり、右脚ブロックと左脚ブロックが交互に出現します。交代性脚ブロックは「患者の同一または異なる心電図記録で右脚ブロックと左脚ブロックが同時に認められた場合」と定義されます2)。そのため必ずしも1拍おきの交代であったり、同じ心電図上に両方の脚ブロックが認められる必要はありません。
交代性脚ブロックはあくまで脚の伝導遅延であり、伝導の途絶ではありません。脚の伝導が途絶していないからこそ両方の脚ブロックが出現することができます。
治療
交代性脚ブロックは両脚の伝導障害が同程度であるために認められます。そのため完全房室ブロックに進行する可能性がきわめて高く、ペースメーカー植込みの適応となります3)。
完全房室ブロックに移行する可能性は、ほぼ同じ心拍数で交互に脚ブロックを認め、PR間隔の変化を伴う場合により高くなります4)。
様々な交代性脚ブロック
参考文献
1)Alternating bundle branch block. Neth Heart J. 2002 May;10(5):250-251.
6)Alternating Bundle-Branch Block: What Is the Mechanism? Circulation. 2018 Mar 13;137(11):1192-1194.
書籍
心電図の読み方パーフェクトマニュアル P104-105