Bayés症候群

Bayés症候群とは心房間伝導障害と心房細動(上室性不整脈)との関連性を示す症候群です。Bayés de Lunaは心房間ブロックの患者では上室性頻拍の発生率が高いことを初めて報告しました2)。Bayés症候群は心房細動および脳梗塞とも関連することが示されており、抗凝固薬の必要性に関しても議論されています。

通常はバッハマン束を介して左房が興奮しますが、高度心房間ブロックでは興奮がバッハマン束で完全にブロックされ、左房の興奮は冠状静脈洞の付近から逆行性に生じます。これにより下壁誘導においてP波の終末が陰性になるので結果として2相性P波(陽性→陰性)になります1)。

参考文献
1)Bayés Syndrome: What Is It? Circulation. 2018 Jan 9;137(2):200-202.
2)Bayés’ Syndrome-A Comprehensive Short Review. Medicina (Kaunas). 2020 Aug 13;56(8):410.