低電位とは？

低電位　Low voltage

心電図では電位は波形の振幅(高さ)で表されます。低電位は電位が小さい、つまり波形の振幅が小さいことを言います。

以下の条件を満たすものが低電位と定義されます。

・すべての四肢誘導でQRS振幅が5mm以下

・すべての前胸部誘導でQRS振幅が10mm以下

低電圧の原因は、大きく3つに分けられます¹⁾。

・心起電力 (cardiac voltage generation)

・心外伝達 (extracardiac transmission)

・機器関連 (equipment-related issues)

心起電力では、拡張型心筋症、心筋梗塞、心アミロイドーシス、甲状腺機能低下症、心筋炎などが心臓の起電力低下に影響を与えます。

・拡張型心筋症：心筋の活動量が減少している

・心筋梗塞：瘢痕組織が波形を変化させ体表で測定される電圧が減衰する

・心アミロイドーシス：心筋組織内のタンパク質繊維の病的沈着が電位に影響する

心外伝達では、心臓と測定電極の間の空間が広くなり、電気信号が伝達されにくくなります。肥満・心膜脂肪、心嚢液、胸水、気胸、末梢性浮腫などがこれにあたります。

機器関連では、機器の故障や電極の付け間違いにより低電位を発生させる可能性があります。

心電図の読み方パーフェクトマニュアル　P120-121

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