Himalayan P waves

Himalayan P wavesとは、極めて高く尖ったP波を指す心電図所見です。標高の高さで知られるヒマラヤ山脈にちなんで名付けられています。右心房の拡大を示唆しており、拡大した右心房全体に電気的興奮が長時間伝導されるためと考えられています1)。
心電図所見
Himalayan P wavesとは高さが5mm(0.5mV)を超えて幅広いP波であり、II 誘導で最も顕著となります。P波の振幅が非常に大きくQRS波より高くなることさえあります。

拡大した右房内を興奮が伝わるのに時間がかかるため、振幅が大きく、やや幅広いP波になります。単なる「肺性P波(P pulmonale)」を超えた極端な形態です。
原因
エプスタイン奇形、三尖弁閉鎖症、三尖弁狭窄症と肺動脈狭窄症の合併などの先天性疾患は、右房圧の上昇と右房の拡大により、極端に高いP波を引き起こす可能性があります2)。Himalayan P wavesを認めた場合、単なる右房負荷を超えた高度の右房構造異常を強く疑うべき所見です。特に若年者や先天性心疾患が疑われる症例では、エプスタイン奇形をまず念頭に置く必要があります。

参考文献
1)Himalayan P Waves, Alpine A Waves. Circ Heart Fail. 2019 Oct;12(10):e006235.←右心カテーテル検査では右心房の収縮によって、圧波形でAlpine A wavesと呼ばれる急峻で高いA波がみられる。
2)Images in cardiovascular medicine. Himalayan P-waves in a patient with tricuspid atresia. Circulation. 2003 Jan 28;107(3):498.←生後8か月の三尖弁閉鎖症の症例報告
書籍
小児心電図のみかた、考えかた P111-115

