右軸偏位(right axis deviation)

通常の心室の電気的興奮は、房室結節から左下の心尖部方向へ向かいます。これが時計方向へ偏位した場合を右軸偏位といいます。

定義上はQRS波の電気軸が90°〜180°の時が右軸偏位になります。また、QRS波の電気軸が90°〜120°の時を軽度右軸偏位、120°〜180°の時を高度右軸偏位と分類する場合もあります2)。

Ⅰ誘導のQRS波が陰性の場合、電気軸は90°〜180°〜-90°に存在することになります。また、aVF誘導のQRS波が陽性の場合、電気軸は0°〜180°に存在することになります。Ⅰ誘導のQRS波が陰性かつaVF誘導のQRS波が陽性であれば、この両者の条件を満たすのは90〜180°であり、右軸偏位と判断することができます。

原因
右軸偏位をきたす原因は下の表のように様々です。若い痩せ型の人で、心電図所見が右軸偏位だけならほとんどの場合問題ありませんが、高度右軸偏位や他の異常所見(右室負荷所見、S1Q3T3パターンなど)が一緒にある場合は、原因精査を検討する必要があります。

参考文献
1)Isolated Apical Hypoplasia of the Left and Right Ventricle. JACC Case Rep. 2024 May 9;29(12):102362.
3)Electrical Right and Left Axis Deviation. 2024 Jan 8. In: StatPearls
書籍
実力心電図 P86-87
心電図マイスターによる3→1級を目指す鑑別力grade up演習 P5-6


