高マグネシウム血症(Hypermagnesemia)
高マグネシウム血症とは、血清マグネシウム濃度が2.6mg/dL(1.05mmol/L)を上回ることです。主な原因は腎不全です。症状としては、低血圧、呼吸抑制、心停止などがあります。
高マグネシウム血症 - 10. 内分泌疾患と代謝性疾患 - MSDマニュアル プロフェッショナル版
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高マグネシウム血症の心電図
高マグネシウム血症では、マグネシウム濃度が6~12mg/dL(5~10mEq/L)になると、PR間隔の延長、QRS波の持続時間の延長、QT間隔の延長、T波の増高など、高カリウム血症と類似した特徴的な心電図変化が生じます2,3)。
マグネシウム濃度が12mg/dL(10mEq/L)を超える場合、洞房ブロックおよび房室ブロック、心室性不整脈を引き起こすことがあります。
血清マグネシウム濃度が15mg/dL(13mEq/L)を超えると、心停止、昏睡、呼吸停止を引き起こす可能性があります3)。
高マグネシウム血症では、MgはCaチャネル拮抗薬として作用します4)。Caチャネルは洞結節の脱分極に関係するため、高マグネシウム血症では洞性徐脈などの洞機能不全が生じます。
参考文献
1)Missing P Wave on Electrocardiogram in Hypermagnesemia. Circ J. 2020 Aug 25;84(9):1609.
4)Hypomagnesemia and hypermagnesemia. Rev Endocr Metab Disord. 2003 May;4(2):195-206.