差動増幅器(differential amplifier)
心電図における差動増幅器とは、2つの電極の電位差を増幅して心電図信号として取り出す増幅回路です。例えばⅠ誘導では基本的に「V左手−V右手」を測定しますが、差動増幅器は右手と左手の電位をそれぞれ入力し、その差だけを増幅します。ここで、「V左手−V右手:測定したい差動モード電圧、G:増幅率」とすると「Vout:増幅器の出力」は以下の式で表すことができます。

CMRR(common-mode rejection ratio:同相除去比)
2つの電極の電位を、次のように心臓由来成分と共通成分であるコモンモードに分けて考えます。

差動増幅器に入力すると両方に共通するコモンモード成分は理想的には相殺されます。

ただし、完全ではないのでコモンモードを完全には除去できません。この能力を表すのがCMRR(common-mode rejection ratio:同相除去比)です。
一般的にCMRRが高いほど共通して乗ったコモンモードノイズを除去しやすくなります。差動増幅器は微小な心電図の差動電位を増幅する一方、コモンモード成分はできるだけ増幅しないようになっています。
参考文献
1)Composite instrumentation amplifier for biopotentials. Ann Biomed Eng. 1990;18(3):251-62.
