分界稜起源(crista terminalis)
分界稜とは右心房内に存在する太い筋性の隆起であり、上方では上大静脈開口部付近から始まり、右心房の外側壁に沿って下方へ弓状に走行し、下大静脈開口部付近まで続きます。ここを起源とする心房期外収縮が分界稜起源の心房期外収縮と呼ばれます。

心電図所見
下壁誘導(II・III・aVF)

分界稜は洞結節に近く、特に上部分界稜起源では興奮の広がり方が洞調律と似ています。上部分界稜起源の期外収縮・心房頻拍は洞性P波とかなり似たP波になることがあります。起源が分界稜を上→中→下へ移動すると、P波の上下方向のベクトルが変わります1)。

V1誘導
分界稜は右房の後外側にあります。そこから心房期外収縮が発生すると、分界稜→右房内を前方・内側へ伝導→心房間伝導路を介して左房という興奮になります。そのためV1では、初期の右房興奮がV1方向へ向かう成分を作り、その後の左房興奮がV1から離れる方向へ向かうため、初期陽性→終末陰性すなわち+/−の二相性P波になります2)。

Ⅰ誘導
I誘導のP波は基本的に陽性になることが多いです。分界稜は右房後外側に位置するため、興奮が概ね右→左方向へ進み、I誘導では陽性P波になります。

aVR誘導
分界稜起源の興奮は右上から見ているaVR誘導から遠ざかる方向に興奮が向かうため陰性P波となります。右房頻拍の研究ではaVR誘導の陰性P波が分界稜起源を示す所見として感度100%、特異度93%と報告されています3)。


