Ⅰc flutterとは?

Ⅰc flutter

Ⅰc flutter
文献1より フレカイニドによるⅠc flutterであり、心拍依存性脚ブロックを伴う

Ⅰc群抗不整脈薬を投与することにより発生する1:1心房粗動のことをⅠc flutterと呼びます。

Ⅰc群抗不整脈薬であるフレカイニドやピルシカイニドは心房性不整脈をコントロールするために最も頻繁に処方される薬剤の一つです2)

Ⅰc flutter

1:1伝導の心房粗動は、急速に心室細動のような生命を脅かす不整脈に移行する可能性があります1)

Naチャネル遮断薬の効果

Naチャネル遮断薬はNaの細胞内への流入を抑えること活動電位の立ち上がり速度を抑え、心房筋の伝導速度を低下させます。

Ⅰc flutter

その結果、通常では不応期で伝達されなかった興奮が、不応期を脱したタイミングで到達するようになることで1:1伝導の心房粗動となります。

Ⅰc flutter

心房筋の伝導速度は低下しているものの、1:1伝導であるため2:1伝導の心房粗動と比べるとより頻拍となり心拍数は上昇します。

Ⅰc flutter

心室応答がかなり速い1:1伝導が存在する場合は変行伝導によりQRS波がwideになることが多く、心室頻拍との鑑別診断が困難となる場合があります1)

Ⅰc flutter

参考文献

1)1:1 atrial flutter induced by flecainide, whilst the patient was at rest. Am J Emerg Med. 2018 Nov;36(11):2131.e3-2131.e5.←安静時の薬物投与により生じたⅠc flutter

2)2016 ESC Guidelines for the management of atrial fibrillation developed in collaboration with EACTS. Eur Heart J. 2016 Oct 7;37(38):2893-2962.←ヨーロッパの心房細動に関するガイドライン

書籍

Hospitalist Vol.9No.3 2021(特集:不整脈1 上室性不整脈) P658-660

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