トリカブト中毒(Aconite poisoning)
トリカブトは有毒植物として知られており、花や葉、花粉にまで毒がありますが特に根に致死性の高い猛毒を持ちます。主な毒成分はアコニチンで、中毒症状として末梢神経障害や呼吸困難、不整脈などが起こり死に至る場合があります。

中毒は自殺目的の摂取、野草との誤食、民間療法によるものが主な原因です。塊根を乾燥させたものは漢方薬として用いられることがあり、烏頭(うず)または附子(ぶし)と呼ばれますが、毒性が強いためそのまま用いることはほとんどありません。

心電図所見

トリカブト中毒の心電図所見として二方向性心室頻拍、多源性心室性期外収縮、心室頻拍、心室細動、QT延長、徐脈・頻脈の混在などが報告されており、あらゆる不整脈が発生する可能性があります。
二方向性心室頻拍(bidirectional VT)

トリカブト中毒に特徴的な不整脈として二方向性心室頻拍があります。これはQRS波の形態が交互に変化する稀な不整脈で、トリカブト中毒のほかジギタリス中毒やカテコラミン作動性多形性心室頻拍(CPVT)でも見られます。 二方向性心室頻拍は治療抵抗性が高く致死的な不整脈です。

メカニズム
アコニチンは電位依存性Naチャネルに結合して持続的に活性化させます。Naチャネルが開いたままの状態が長時間持続するのでNaが持続的に流入して不活性化が阻害され、結果的に不整脈を誘発します。また、交感神経刺激や内因性カテコラミンの増加も不整脈を助長すると考えられています。

参考文献
書籍
深掘りしたい人へ
名前の由来、トリカブトの根や似ている植物の葉のカラー写真、毒のメカニズム、治療の第一選択薬、実際の症例などを8ページにわたって詳細にまとめられておりトリカブト中毒に関して深掘りしたい人は一読の価値ありです。心電図所見に関しては深掘りされていないので注意です。

