ドリフト(baseline drift, baseline wander)

ドリフトは基線動揺とも呼ばれ、電極とペーストの間に発生する電圧の変動によるものであり心電図の基線が緩徐に上下します。体動や大きな呼吸、衣服が電極に触れることなどにより電極が動いて発生します。

アーチファクト混入が除去できない場合には、ドリフトフィルタ(ローカットフィルタ、ハイパスフィルタ)を使用します。ドリフトフィルタとは基線の揺らぎである低い周波数を減衰させるフィルタのことです。つまり幅の広い波形が減衰します。低周波であるT波、U波、ST部分はドリフトフィルタで歪む可能性があります。

使用する機器にもよりますがフィルタの周波数として0.25、0.5HzなどからON・OFFを設定できます。ドリフトフィルタをONにした場合は数字(0.25、0.5Hz)や「ドリフト」と表記されています。
