心タンポナーデ(cardiac tamponade)
心タンポナーデとは心膜腔の心膜液が増加することで心室の拡張が障害され、静脈のうっ滞と心拍出量低下を来した状態です。心タンポナーデの特徴的な所見としてBeckの三徴(血圧低下・心音減弱・頸静脈怒張)が知られています。

心膜液貯留≠心タンポナーデであり、あくまで心膜腔の圧が上昇することで血行動態に影響を及ぼしている必要があり、心膜液が貯留しているでけでは心タンポナーデではありません。

心膜液が徐々に貯留する場合は心膜液が大量でも心タンポナーデになりにくいですが、急速に貯留する場合はごく少量の心膜液でも心タンポナーデを生じることがあります。

心電図所見

頻脈
心タンポナーデは1回拍出量が低下している状態なので、心拍数を増加させることで心拍出量を維持しようとします。そのため心タンポナーデでは頻脈になります。

心膜液貯留
心タンポナーデは少量の心膜液でも発生しますが、大量の心膜液が貯留している場合はそれに由来する心電図変化が生じることがあります。

低電位
大量の心膜液が貯留していると心臓と電極の間に液体が存在している状態なので伝達力が低下して低電位となります。

電気的交互脈
大量の心膜液が貯留している状態では心膜腔内で心臓が揺れ動くことができるため、心拍動に合わせて周期的な心臓の揺れが見られます。この揺れはswinging heartと呼ばれ、心電図では心臓の周期的な位置変化により電気的交互脈として記録されます。

参考文献
1)Electrical alternans: a sign, not a diagnosis. South Med J. 2013 Aug;106(8):485-9.

