カテコラミン誘発性多形性心室頻拍とは?

カテコラミン誘発性多形性心室頻拍(Catecholaminergic Polymorphic Ventricular Tachycardia : CPVT)

若年者の運動、精神的ストレス、カテコラミン投与時などに多形性心室頻拍や心室細動を発症し、若年者の失神発作や突然死の原因となります。最初の失神は少なくとも20歳までに発生することが多いです1)。安静時心電図では異常所見がなく、無症状のCPVT患者を通常の検査から診断することは困難ですが、運動負荷心電図はCPVTを診断するうえで有力な検査法とされています2)

心電図所見

多形性心室頻拍

カテコラミン誘発性多形性心室頻拍(Catecholaminergic Polymorphic Ventricular Tachycardia : CPVT)
文献3より ニ方向性心室頻拍

CPVTでは多形性心室頻拍が見られますが、その中でも1拍ごとにQRSの極性が180度変わるニ方向性心室頻拍が特徴的です。

カテコラミン誘発性多形性心室頻拍(Catecholaminergic Polymorphic Ventricular Tachycardia : CPVT)
文献2より 運動負荷試験中のニ方向性心室頻拍(前半)。運動中で洞調律に復帰(後半)。

運動負荷で心室頻拍が誘発され、運動を中止すると心室頻拍も停止します。

心室細動

カテコラミン誘発性多形性心室頻拍(Catecholaminergic Polymorphic Ventricular Tachycardia : CPVT)
文献3より 多形性心室頻拍から心室細動への移行

多形性心室頻拍から心室細動へ移行することがあり、失神発作や突然死につながります。

参考文献

1)Impact of cascade screening for catecholaminergic polymorphic ventricular tachycardia type 1. Heart. 2022 May 12;108(11):840-847.

2)Catecholaminergic Polymorphic Ventricular Tachycardia. Circ J. 2016 May 25;80(6):1285-91.

3)Catecholaminergic polymorphic ventricular tachycardia. Circ Arrhythm Electrophysiol. 2012 Oct;5(5):1044-52.

タイトルとURLをコピーしました