precordial concordance
concordanceは「一致」を意味しており、precordial concordanceとは、QRS波の極性が胸部誘導(precordial lead)ですべて陽性で一致している、またはすべて陰性で一致しているパターンのことです。全て陽性のパターンをpositive concordance、全て陰性のパターンをnegative concordanceと言います。

concordantパターンは比較的心室頻拍に特異的であり、wide QRS頻拍では上室性頻拍との鑑別にも利用されますが、この所見を示したのは全ての心室頻拍のうち15%だけとの報告もあります1)。
心電図所見
positive concordance

positive concordanceは心基部(僧帽弁輪)起源の心室頻拍・心室期外収縮を示唆します。心基部からの興奮ベクトルは胸部誘導全てに対して向かってくる方向になるので陽性波となります。

ただし、僧帽弁輪起源で中隔(後中隔など)が起源の場合はV1誘導がqR型・QR型などを呈することがあり、心基部起源であっても胸部誘導全てでR波のみのpositive concordanceにならない場合があることに注意が必要です。

房室回帰性頻拍(AVRT)のうち、房室結節を逆行性、副伝導路を順行性に伝導する逆方向性AVRTでは、副伝導路(特に左側副伝導路)の位置によって心室基部から心尖部方向へ興奮が広がり、胸部誘導でpositive concordanceを示すことがあります1)。

negative concordance

negative concordanceは心尖部起源の心室頻拍・心室期外収縮を示唆します。心尖部からの興奮ベクトルは胸部誘導全てに対して離れていく方向になるので陰性波となります。

右室心尖部ペーシングでもnegative concordanceを生じることがあります1)。これはペーシングリードが右室心尖部に留置されることにより興奮ベクトルが心尖部起源の心室頻拍・心室期外収縮と同じ方向に向かうためです。

参考文献
1)Value of the 12-lead ECG in wide QRS tachycardia. Cardiol Clin. 2006 Aug;24(3):439-51, ix-x.

