筋電図とは?

筋電図(electromyogram)

筋電図(electromyogram)
文献1より 振戦による筋電図のアーチファクト

筋肉の収縮は筋電図を発生させることで心電図上に幅の狭いスパイク状のアーチファクトとして現れます。アーチファクトは振幅も周波数も不規則な波になります。筋電図の混入は手足に震えが生じる疾患や緊張・不安による硬直・振戦などの不随意運動、寒さによるシバリングなどで生じます。

筋電図(electromyogram)

筋電図の原因として四肢末端に震えがある場合は、四肢誘導の電極を筋肉の動きの少ない体の中枢側に装着することでアーチファクトが改善することがあります。

筋電図(electromyogram)


アーチファクト混入が除去できない場合には、筋電図フィルタ(ハイカットフィルタ、ローパスフィルタ)を使用します。筋電図フィルタとは筋電図の持つ高い周波数を減衰させるフィルタのことです。つまり幅の狭い波形が減衰します。使用する機器にもよりますがフィルタの周波数として25、35、75、100、150HzからON・OFFを設定できます。

筋電図(electromyogram)

筋電図フィルタを使用すると心電図の高い周波数成分もカットされてしまいQRS波が減衰します。T波は周波数がQRS波ほど高くないので影響は受けにくいです。また、ペースメーカを使用している場合はペーシング波形が消失する可能性があります。そのため筋電フィルタをできる限り使用せずにアーチファクトの少ない心電図を記録することが大切です。

筋電図(electromyogram)
筋電図(electromyogram)
文献2より 振戦によるアーチファクト

参考文献

1)The role of electrocardiography in the diagnosis of spinal muscular atrophy type III. J Pediatr. 2015 Apr;166(4):1092.

2)Images in cardiovascular medicine. Tremor on the electrocardiogram. Circulation. 1998 Jul 14;98(2):184-5.

書籍

今さら聞けない心電図 P30-31

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