ファブリー病とは?

ファブリー病(Fabry disease)

遺伝性脂質代謝異常であり、α-ガラクトシダーゼの欠損または低下が先天性に見られます。X連鎖劣性遺伝病ですが、女性にも発症します1)

心電図所見

ファブリー病患者の多くは、PQ間隔短縮、高電位、QRS持続時間の延長、ST上昇、陰性T波、洞不全、房室ブロックなどの心電図異常を示します2)

PQ間隔短縮

文献3より ファブリー病患者のPQ間隔短縮

PQ間隔短縮の頻度はファブリー病の21〜40%と報告されています。ファブリー病におけるPQ間隔の短縮を検討した報告では心房-His(AH)間隔の短縮を示したものとHis-心室(HV)間隔の短縮を示したものがあります3)

左室肥大

文献4より ファブリー病患者の左室肥大所見(高電位+strain T)とPQ間隔短縮

左室肥大所見として高電位、ストレインTを呈します。

房室ブロック

文献5 ファブリー病患者の完全房室ブロック

完全房室ブロックはファブリー病における末期の症状である可能性が示唆されています5)

参考文献

1)心筋症診療ガイドライン(2018年改訂版)

2)The relationship of vascular glycolipid storage to clinical manifestations of Fabry disease: a cross-sectional study of a large cohort of clinically affected heterozygous women. Medicine (Baltimore). 2005 Sep;84(5):261-268.

3)Electrophysiological study in a patient with Fabry disease and a short PQ interval. Europace. 2006 Dec;8(12):1045-7.

4)Short PR interval in the absence of preexcitation: a characteristic finding in a patient with Fabry disease. Pacing Clin Electrophysiol. 2008 Jun;31(6):782-3. 

5)Fabry’s disease with complete atrioventricular block: histological evidence of involvement of the conduction system. Br Heart J. 1992 Sep;68(3):323-5.

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