低マグネシウム血症(hypomagnesemia)
低マグネシウム血症とは、血清マグネシウム濃度が1.8mg/dL(0.70mmol/L)未満となった状態です。原因には、マグネシウムの摂取不足および吸収不足や,高カルシウム血症またはフロセミドなどの薬物による排泄増加があります。臨床的特徴は嗜眠、振戦、テタニー、痙攣、不整脈があります。
低マグネシウム血症 - 10. 内分泌疾患と代謝性疾患 - MSDマニュアル プロフェッショナル版
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低マグネシウム血症の心電図
重度のマグネシウム欠乏では、P波持続時間の延長、PR間隔の延長、QRS持続時間の延長、T波の減少・陰転化、U波増高が見られます1,2,3,4)。
中程度のマグネシウム欠乏でQRS波の拡大とT波増高が報告されていますが、より重度のマグネシウム欠乏では、PR間隔とQT間隔の延長、QRS波の進行性の拡大、T波の減少がみられます1,5)。
複数の電解質異常が同時に発生すると心電図波形が著しく歪むことがあり、心電図異常が容易に認識できなくなります。
参考文献
5)Electrocardiographic abnormalities and serum magnesium in patients with subarachnoid hemorrhage. Stroke. 2004 Mar;35(3):644-8.←くも膜下出血患者の3分の1以上が入院時に低マグネシウム血症