Littmann signとは?

Littmann sign(リットマンサイン)

Littmann signとは、心電図の自動解析やモニターが、実際の心拍数の約2倍を表示するダブルカウント現象で、高カリウム血症を強く示唆する心電図所見です。Littmannらが2007年に報告1)したことから、この名前で呼ばれています。

Littmann sign(リットマンサイン)
文献2より Littmann sign A:高カリウム血症、B:補正後

心電図自動解析装置が、1つの心周期に存在するQRS波とT波をそれぞれ心拍として認識し、実際の心拍数の約2倍の心拍数を表示する現象です。

心電図所見

Littmann sign(リットマンサイン)
文献3より モニター表示はHR80bppmだが実際はHR38bpm

高カリウム血症では、T波が高く鋭くなる、QRS幅が延長する、QRS波とT波が接近あるいは融合するため、自動解析がT波をQRS波と誤認識して本来1拍のところを「QRS波 + T波 = 2拍」として2重に数えてしまいます。

Littmann sign(リットマンサイン)
高カリウム血症では、T波が高く鋭くなる、QRS幅が延長する、QRSとT波が接近あるいは融合するため、自動解析がT波をQRS波と誤認識し、本来1拍のところをQRS波 + T波 = 2拍として数えてしまいます。これがダブルカウントです。

例えば、実際の心拍数:75回/分、モニター表示:150回/分、橈骨動脈の脈拍:75回/分というようにモニターの心拍数表示だけが約2倍になることがあります。

Littmann sign(リットマンサイン)
例えば、実際の心拍数:75/分、モニター表示:150/分、橈骨動脈の脈拍:75/分というようにモニターの心拍数表示だけが約2倍になることがあります。

臨床的意義

リットマンサインは高カリウム血症の早期サインとして重要です。特に注意すべき点は、典型的なテント状T波を伴わずにリットマンサインが唯一の高カリウム血症の手がかりになることがあるという点です3)。そのため、モニターが「心拍数180回/分」と表示しているが患者は安定していて脈拍は約90回/分という状況では、モニターの不具合と決めつけずに高カリウム血症を疑うことが重要です。また、鋭いT波を伴う場合は高カリウム血症以外でも発生することがあります4)

文献

1)Double counting of heart rate by interpretation software: a new electrocardiographic sign of severe hyperkalemia. Am J Emerg Med. 2007 Jun;25(5):584-6.←ECG解析ソフトで心拍数が約2倍に表示される現象を解析し33例中28例(約85%)が重症高カリウム血症

2)The Littmann sign: An indication of hyperkalemia. J Gen Fam Med. 2017 May 17;18(4):173-174.←血清K 6.4mEq/Lの時の自動解析で心拍数218/分とダブルカウント。透析後(K 4.7 mEq/L)にはダブルカウントが消失

3)Double counting heart rate – Littmann sign in electrocardiogram. Heliyon. 2024 Feb 15;10(4):e26020.←発症から治療後までの12誘導ECG・モニター波形を掲載

4)Normokalemic Littmann sign due to STEMI. J Electrocardiol. 2025 Nov-Dec;93:154122.←高カリウム血症ではなく前壁ST上昇型心筋梗塞でダブルカウントを認めた症例

タイトルとURLをコピーしました