Pava criteriaとは?

Pava criteria

Pava criteriaはwide QRS頻拍において心室頻拍と変行伝導を伴った上室性頻拍を鑑別するために用いられる基準です1)

Pava criteria
文献1より II誘導のR-wave peak time(RWPT)が80ms≧50msであり心室頻拍

鑑別にはII誘導におけるR-wave peak time(RWPT)を使用しています。RWPTはQRS波の発生からR波のピークまでの間隔であり、文献では等電位線から最初の偏位までのQRS持続時間として定義されています。RWPT≧50msの場合に心室頻拍と判断し、感度93%、特異度99%と報告されています1)

Pava criteria

II誘導を使用する理由としては、さまざまな環境(例えば、救急外来や集中治療室での心電図モニタリング)で記録された心電図記録にほぼ常に存在し、波形が入手しやすいからです。

Pava criteria
文献1より II誘導のR-wave peak time(RWPT)が30ms<50msであり上室性頻拍

心室頻拍は固有心筋を伝導し、上室性頻拍は刺激伝導系を伝導するので、伝導速度の遅い固有心筋を伝わる心室頻拍の方がRWPTが長くなると考えられています。

Pava criteria

II誘導でのQRS波の明確な開始がない場合、R波のピークが不明瞭である場合には鑑別が困難となることがあります。ピークが陰性の場合でも基準は使用することができます。

Pava criteria
文献1より II誘導のR-wave peak time(RWPT)が60ms≧50msであり心室頻拍

参考文献

1)R-wave peak time at DII: a new criterion for differentiating between wide complex QRS tachycardias. Heart Rhythm. 2010 Jul;7(7):922-6.

タイトルとURLをコピーしました