ventricular gradient
心室における活動電位持続時間は不均一であり、心内膜側は持続時間が長く、心外膜側に向かうにつれて持続時間が短くなっていきます。このような活動電位持続時間の勾配をventricular gradientと呼びます1)。

心外膜側の心筋におけるKチャネル(ItoとIKr)の分布密度は心室内膜側の心筋に比べて高いことが知られています。Kチャネルが多く発現している心室内膜側では再分極が速く進行するため、活動電位持続時間は短くなります。これによりventricular gradientが生じることになります。

T波の極性がQRS波と一致する理由はventricular gradientを用いると理解することができます。
