心室中隔欠損症とは?

心室中隔欠損症(ventricular septal defect : VSD)

心室中隔欠損症

心室中隔とは右心室と左心室の間を隔てる壁のことで心筋でできています。 心室中隔欠損は、この中隔の部分に穴が空いて欠損している状態です。

通常は左心室の方が右心室よりも圧が高いので、左心室から右心室へ血液が流れます(左右シャント)。左室から右室へ流入する血液があることで、肺動脈への血液量が増加し、結果的に肺静脈から左房に入ってくる血液量が増加します。徐々に左心房、そして左心室が拡大することで、心不全や不整脈を引き起こします。

文献1より 心室中隔欠損症の欠損部位

欠損の仕方には種類があり、欠損のある部位で分類されています。

心電図変化

新生児の心電図学的特徴として左軸偏位の頻度が高く、V1のS波の振幅が大きく、V6のR波とS波の振幅が大きいことが報告されています2)

左心負荷

左室肥大を反映して左室高電位などの所見が見られます。

右心負荷

肺高血圧症が合併した場合、右心負荷をきたします。右房負荷による肺性P波や、右室肥大による心電図変化が見られます。

参考文献

1)Transcatheter Closure of Atrial and Ventricular Septal Defects: JACC Focus Seminar. J Am Coll Cardiol. 2022 Jun 7;79(22):2247-2258.←ASDおよびVSDの経カテーテル的閉鎖術の現状

2)Electrocardiographic characteristics of newborns with ventricular septal defects: a Copenhagen Baby Heart Study. Eur J Pediatr. 2023 Nov;182(11):5149-5158.←出生後30日以内の心電図を評価。VSDの大きさや種類によって心電図に有意な違いがある

心電図の読み方パーフェクトマニュアル P346-347

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