肺性Pとは?

肺性P(P pulmonale)

原発性肺高血圧症の心電図での肺性P
文献1より 原発性肺高血圧症の心電図

肺性Pとは、右房拡大に伴う心電図所見です。

右心房が拡大すると、右心房の興奮が遅れ、右心房と左心房が同時に脱分極します。

右心房と左心房の脱分極による2つの波形の和は、高く狭いP波を生じさせます。

この高いP波は尖鋭したピークを持ち、「肺性P」と呼ばれます。

定義

肺性Pは以下のように定義されます1)

・下壁誘導(II、III、aVF)のP波振幅 ≧ 2.5mV

右房の拡大によって右房興奮のベクトルが下方に偏位するので下壁誘導においてP波は増高します。

原因

肺高血圧症など右心負荷を有する患者で見られることが多いです。

慢性閉塞性肺疾患では、肺性Pは最も多く見られる心電図変化の一つです2)

1)P-pulmonale and new-onset atrial fibrillation. Circ J. 2014;78(2):309-10. 

2)Electrocardiographic changes in chronic obstructive lung diseases. Z Gesamte Inn Med 1982; 37: 796 – 801.

タイトルとURLをコピーしました