洞調律(3問)
問題1
洞調律とは洞結節から発生する興奮が伝導することで形成される調律のことです。
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答え:◯
洞結節以外からの興奮は洞調律とは呼びません。例えば、調律の元となる興奮が心房由来であれば異所性心房調律、心室由来であれば心室調律などがあります。
問題2
房室ブロックでも洞調律が見られる。
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答え:◯
洞結節由来の調律であれば洞調律となるため、広い意味では洞性徐脈、洞性頻脈、洞不整脈、房室ブロックも洞調律に含まれます。
問題3
洞調律ではI誘導、II誘導、aVF誘導のP波が陽性、aVR誘導のP波が陰性である。
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答え:◯
洞調律では洞結節から房室結節に向かって興奮が伝導するので右上から左下の方向へ向かいます。そのためP波はⅠ誘導、Ⅱ誘導、aVF誘導で陽性になります。また、反対方向に位置しているaVR誘導ではP波は陰性になります。
異所性心房調律(4問)
問題1
異所性心房調律のP波は洞調律のP波の形と同じになる。
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答え:×
異所性心房調律の電気的活動の起源は洞結節ではない(異所性)ので、P波は通常の洞調律時の形態とは異なります。
問題2
冠静脈洞調律は下壁誘導で陰性P波が見られる。
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答え:◯
冠静脈洞調律では右心房の下部にある冠静脈洞から興奮が発生するため、心房の興奮は右下から左上へ向かいます。そのためP波は下壁誘導であるII誘導、III誘導、aVF誘導で陰性となります。
問題3
左房調律ではⅠ誘導、V6誘導のP波が陰性になり得る。
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答え:◯
左房調律では左房から右房へ興奮するのでⅠ誘導およびV6誘導のP波が陰性になることが多いです。
問題4
左房調律ではdome and dart P waveが見られる場合がある。
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答え:◯
左房調律ではV1誘導に陽性の二峰性P波が見られることがあり、これをdome and dart P waveと呼びます。
房室接合部調律(3問)
問題1
房室接合部調律は房室結節またはヒス束から興奮が発生することで生じる調律である。
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答え:◯
房室接合部調律は房室接合部補充調律とも呼ばれ、心房と心室の接合部の組織内にある房室結節またはヒス束から興奮が発生することで生じる調律です。
問題2
房室接合部調律ではQRS波の前後に逆行性P波を認めることがある。
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答え:◯
房室接合部調律では心房に早く興奮が伝わればQRS波の前に逆行性P波を認め、心房に遅く興奮が伝わればQRS波の後に逆行性P波を認めます。
問題3
房室接合部調律は通常40~60拍/分である。
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答え:◯
房室接合部調律は通常40~60拍/分ですが心拍数によって名称が異なり、一般的には「房室接合部徐脈:40拍/分以下」、「促進性房室接合部調律:60~100拍/分」、「房室接合部頻拍:100拍/分以上」となります。
心室固有調律(3問)
問題1
心室固有調律は興奮発生部位が刺激伝導系の上位になるほどQRS波幅は広くなる。
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答え:×
心室固有調律では調律の発生部位が刺激伝導系の上位になるほどQRS幅は狭く、心拍数は30〜40/分程度となります。逆に、刺激伝導系の下位になるほどQRS幅は広く、心拍数は20〜30/分程度と少なくなります。
問題2
心室固有調律は心拍数によって促進性心室固有調律、心室頻拍に分類される。
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答え:◯
心室からの興奮による心室調律は、定義によって異なりますが一般的には心拍数が50bpm未満であれば「心室補充(固有)調律」、 100bpm以上であれば「心室頻拍」と呼ばれます。
問題3
促進性心室固有調律ではwarm up現象が見られることがある。
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移動性ペースメーカ(3問)
問題1
移動性ペースメーカは3種類以上の異なるP波が見られる。
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答え:◯
移動性ペースメーカは英語で「wandering atrial pacemaker」と呼ばれており、「wandering」は「さまよう」「歩き回る」を意味しています。ペースメーカ部位が心房をさまよっている様に見えることを表現しています。
問題2
ペースメーカ移動は2種類の異なるP波が見られる。
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答え:◯
ぺースメーカ移動は調律のベースとなっている興奮部位が心房の別の部位へと移ることです。ぺースメーカ移動は2点間の移動であるため、P波の形が異なるのが特徴です。
問題3
ペースメーカ移動ではP波の融合波形は1種類には数えない。
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答え:◯
ペースメーカ移動では基本的にP波は2種類ですが、2点から同時に興奮が出現した場合などは融合した波形となるため2種類以上に見えることがあります。融合した波形は1種類に数えないことに注意が必要です。