完全房室ブロック(complete atrioventricular block)
完全房室ブロックはⅢ度房室ブロックとも呼ばれ、心房からの興奮伝導が心室へ伝わらず断絶している状態です。
心房と心室の収縮はお互い無関係に生じます。そのため心室の収縮は補充調律によって行われます。
P波とQRS波は無関係であり房室解離と呼ばれます。P波自体は規則的に出現しており、QRS波自体も規則的に出現しています。しかしながら、不整になることもありますのでPP間隔、RR間隔が一定であることは必ずしも必要な条件ではありません。PP間隔の不整に関しては、QRS波を挟むPP間隔がQRS波が脱落した部分のPP間隔より短縮する心室相性洞不整脈という現象が知られています。
参考文献
1)Complete Heart Block. Circulation. 2019 Aug 6;140(6):516-519.
書籍
心電図の読み方パーフェクトマニュアル P288-289
ほぼ初めての心電図 P196-198