Q波(Q wave)
Q波はR波に先行する最初の陰性波です。あくまでもR波を基準としてその前にある陰性の波をQ波と定義しており、P波の後にくる最初の陰性の波ではありません。
そのため、R波がない場合はR波に対する前後が判断できないためQS波と呼ばれます。
Q波は心室間隔中隔の正常な左から右への脱分極を表します。左側リード(I、aVL、V5、V6)では小さな「中隔」Q波(septal q eave)が典型的に見られます。
小さなQ波はほとんどのリードで正常です。深いQ波(>2mm)は、正常亜型としてIII誘導とaVRで見られることがあります。通常の状況では、右側胸部誘導(V1-3)ではQ波は見られません。
以下の場合、Q波は病的と考えられます。
・幅が1mm以上
・深さ2mm以上
・QRSの深さの25%以上
・V1-3誘導で見られる
・深さ2mm以上
・QRSの深さの25%以上
・V1-3誘導で見られる
異常Q波は通常、現在の心筋梗塞またはそれ以前の心筋梗塞を示しています。
参考文献
心電図の読み方パーフェクトマニュアル P29-33
あなたが心電図を読めない本当の理由 P57-64
レジデントのためのこれだけ心電図 P105-107