電気軸(electrical axis)
一般的に電気軸とは、心室の電気的興奮をベクトルと呼ばれる矢印で表したものになります。平均QRS電気軸とも呼ばれています。
電気軸は冠状断である四肢誘導で判断します。
ベクトルには向きがありますが、Ⅰ誘導の方向を0度として、反時計方向は0からー180度の負の角度、時計方向は0から180度の正の角度で表現します。各誘導は下の図の角度に対応しています。
電気軸の分類
電気軸の分類には、大きく分けて5つの種類があります2)。
・正常軸
・左軸偏位(Light Axis deviation:LAD)
・右軸偏位(Right Axis deviation:RAD)
・極端な軸偏位(Extreme axis deviation)(北西軸)
・不定軸(Indeterminate axis)
・左軸偏位(Light Axis deviation:LAD)
・右軸偏位(Right Axis deviation:RAD)
・極端な軸偏位(Extreme axis deviation)(北西軸)
・不定軸(Indeterminate axis)
電気軸の判断
各誘導でのベクトルはQRS波の振幅の総和で判断します。R波は陽性(+)、Q波・S波は陰性(-)で計算し、Q波・S波に関してはより陰性成分が大きい方を採用して計算します。
電気軸は胸部誘導のうち2つの誘導を選んでそれぞれの誘導のベクトルから判断します。ベクトルが陽性か陰性かさえ分かれば電気軸は求められます。
肢誘導のうちⅠ誘導とaVF誘導を用いると2つの誘導は直交しているため軸の方向がシンプルでわかりやすいです。
Ⅰ誘導のQRS振幅和が陽性、aVF誘導のQRS振幅和が陽性であれば電気軸は正常軸の範囲内になります。正確に正常軸かどうかを判断する場合はⅠ誘導とⅡ誘導が陽性であれば正常軸の範囲である0度から-30度をカバーしているため正常軸が確定します。
参考文献
2)Diagnostic approach to cardiac arrhythmias. J Cardiovasc Pharmacol. 1991;17 Suppl 6:S24-31.
書籍
ほぼ初めての心電図 P140-157