家族性ST低下症候群(familial ST-depression syndrome)

家族性ST低下症候群は、複数の誘導における持続性の非虚血性ST低下が見られる疾患です。Bundgaardらが2018年に心房細動および心室性不整脈の発症、そして常染色体優性遺伝を特徴とする5家系の家族性ST低下症候群を報告し1)、報告者にちなんでBundgaard症候群と呼ばれることもあります。
診断基準
以下の基準が診断基準として提唱されています1)。
- 原因不明のJ点後80ms以内に少なくとも7誘導で0.1mV以上の凹状のST低下
- aVRにおける0.1mV以上のST上昇
- 正常心電図のエピソードがない
- 常染色体優性遺伝形式
心電図所見
ST低下は凹状(concave)であり、V4、V5、II誘導で最も顕著で、正常化することなく持続します2)。
