北西軸(northwest QRS axis)
電気軸が-90°〜-180°の範囲にあるとき北西軸と呼びます。正常軸の反対方向である北西軸はQRS軸の極端な偏位であり、まれな心電図現象です。極端な軸偏位(Extreme axis deviation)、不定軸と言われることもあります。
原因
北西軸は、肺気腫、徐脈、心電図リードの誤装着(右手と左足の電極が逆)、高度の高カリウム血症、三環系抗うつ薬やナトリウム拮抗薬の中毒、ブルガダ症候群などと関連しています1,2)。
参考文献
1)Electrocardiographic “Northwest QRS Axis” in the Brugada Syndrome: A Potential Marker to Predict Poor Outcome. JACC Case Rep. 2020 Oct 7;2(14):2230-2234.←ブルガダ症候群患者における北西軸はRVOTにおける重度の伝導障害を示唆している可能性があると報告
2)Northwest axis in the electrocardiogram – A sign of right ventricular remodeling in tetralogy of Fallot. A case report. J Electrocardiol. 2022 Sep-Oct;74:101-103.←北西軸のファロー四徴症の症例報告。北西軸はファロー四徴症の3%にしか認められなかった。
書籍
今さら聞けない心電図 P178-180
実力心電図 P90-91