漏斗胸(pectus excavatum)
漏斗胸とは胸骨や肋骨が陥凹して胸部中央が漏斗のようにくぼむ先天異常です。肋軟骨の発達に原因があり、ほとんどが無症状です。

心電図所見
漏斗胸では心臓の圧迫や変位により心電図が変化します。修復術を行うと心電図所見が正常化することが報告されています2)。
陰性P波

胸郭変形により心房の興奮は左後方へ向かうため、V1誘導ではP波が陰性になります。また、QRS波はQr波やqR波となり、aVR誘導の波形に類似することがあります。これは心臓の左方偏位が強く、V1誘導でも右上から心臓を見ているようなaVR誘導と似た位置関係になるからです。

陰性T波

右脚ブロック
右室の圧迫による影響と考えられており、心電図変化として最多とする報告もあります5)。
右軸偏位

時計方向回転

心臓が変形した胸郭によって押されることで物理的に時計方向に回転しているため、それに伴って移行帯も時計方向回転となります。
poor R progression
Brugada phenocopy

ブルガダ症候群の遺伝子異常がないにも関わらず心電図波形がブルガダパターンを呈するものはブルガダフェノコピーと呼ばれており、漏斗胸ではブルガダパターン心電図を呈することがあります6)。
参考文献
6)Brugada-type ECG associated with pectus excavatum. Images Paediatr Cardiol. 2015 Jul-Sep;17(3):1-2.
書籍
なんだか気になる心電図 P1008-1011

