PQ間隔(PQ interval)

P波の始まりからQ波の始まりまでをPQ間隔と言います。Q波が存在しないこともあるので、その場合はR波の始まりまでを基準にしてPR間隔(PR interval)とも呼ばれます。

PQ間隔とPR間隔は同義ですので、どちらの用語を使用しても問題ありません。また、PQ時間、PQ時間も同じことを意味しています。

PQ間隔は①心房、②房室結節、③ヒス束〜プルキンエ線維の3箇所の伝導時間の合計になりますが、房室結節の伝導時間がとても長いため、ほぼ房室結節の伝導時間に依存しています。P波開始時点で房室結節は興奮していないのでイコールではありませんが、PQ間隔は房室結節の伝導時間の指標になります。

心電図所見
正常値は0.12秒≦PQ間隔≦0.20秒です。通常は1マスが0.04秒なので、PQ間隔が3マスから5マスの間であれば正常範囲内と言えます。

PQ間隔短縮

PQ間隔<0.12秒でPQ間隔短縮になります。PQ間隔が短縮する原因としては房室結節自体が小さい、房室結節の伝導性が亢進している、副伝道路が存在している、などがあります。疾患としてはWPW症候群やLGL症候群が知られています。

房室結節のサイズ・伝導性の影響でPQ間隔が短縮する場合は、どれだけ短縮しても90msec以下にはならないとされています。これは心房から心室へ興奮が伝導する時に、心房の伝導時間が約20-40msec、房室結節の伝導時間が約60-80msec、ヒス・プルキンエの伝導時間が約30-50msec程度必要になるので、90msec以下を満たすためには房室結節の伝導遅延はほとんど0に近い必要があり、これは生理的に実現困難だからです。

PQ間隔短縮を見た時に、PQ間隔が90msec以下の場合は副伝導路によるショートカットや接合部調律(等頻度房室解離)を考えます。

PQ間隔延長
PQ間隔>0.20秒でPQ間隔延長になります。PQ間隔が延長する原因としては1度房室ブロックやジギタリス効果があります。

PQ間隔は主に房室結節の伝導時間を反映していますが、心房の伝導時間やヒス束〜プルキンエ線維の伝導時間が延長することでもPQ時間が延長する場合があります。3枝ブロックにおけるPQ延長は房室結節ではなく脚の伝導遅延が原因です。

PQ部分(PQ segment)

P波の終わりからQ波の始まりまでをPQ部分と言います。PR部分(PR segment)とも言います。PQ segmentとPQ intervalは違う場所を計測しています。PR部分の変化を来たす疾患として急性心膜炎などが知られています。
参考文献
ほぼ初めての心電図 P104-105
あなたが心電図を読めない本当の理由 P14-20


