S波とは?

S波(S wave)

S波(S wave)

R波の後に来る陰性の波をS波と言います。あくまでR波を基点としており、Q波の次の陰性の波ではありません。そのため、R波がない場合はR波に対する前後が判断できないためQS波と呼ばれます。明確な基準はありませんが、小文字のsは小さなS波を、大文字のSは大きなS波を表します。

S波(S wave)

S波は陰性波であり、興奮ベクトルが電極から遠ざかる方向を反映します。S波は心室の興奮の終わり、特に基部や後壁の興奮を反映しています。胸部誘導ではS波はV1誘導からV2誘導にかけて少し大きくなり、V6誘導にかけて徐々に小さくなります。そのため、通常はV2誘導でS波が最も深くなります。

S波(S wave)

S波の異常

深いS波

左室肥大

左室肥大では左室壁が厚くなり、左向きの電気ベクトルが増大するので、V1誘導など右側の誘導でS波が深くなります。V1の深いS波 + V5/V6の高いR波が35mm以上(Sokolow-Lyon基準)で左室肥大を考えます。

S波(S wave)

右室肥大

右室肥大では右室壁が厚くなり、右向きの電気ベクトルが増大するので、左側の誘導(I、aVL、V5〜V6)で深いS波が見られます。肺性心、肺高血圧、慢性肺疾患などでみられます。

S波(S wave)

S1S2S3パターン

S1S2S3パターンはI・II・III誘導すべてにS波が存在し、健常者でも見られますが右室肥大や肺塞栓の可能性もあります。

S波(S wave)

幅広いS波

脚ブロック

右脚ブロックではV6などで幅広いS波、左脚ブロックではV1などで幅広いS波が見られます。

S波(S wave)

WPW症候群

WPW症候群では副伝導路の位置によりS波部分も影響を受ける場合があり、B型はV1誘導でrS波、C型はV1誘導でQS波などが見られます。

S波(S wave)

参考文献

レジデントのためのこれだけ心電図 P105-107

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