T波オルタナンス(T-wave alternans:TWA)
T波オルタナンスは、T波の形態,波高,極性などが1拍ごとに変化する現象です1)。
TWAは重篤な電気的不安定性および局所の再分極不均一性の指標であり、視覚可能な
TWA(visible TWA)と不可能なTWA(microvolt TWA)があります。
・visible TWA:心電図の変化が目で見てわかる(視覚可能)
・microvolt TWA:心電図では変化がわからない(視覚不可能)
・microvolt TWA:心電図では変化がわからない(視覚不可能)
visible TWAは先天性QT延長症候群の診断基準に含まれています。
再分極の分散と関連していると考えられており、致死性不整脈や心臓突然死のリスクを予測するための非侵襲的マーカーとして用いられています2)。
心電図例
参考文献
1)遺伝性不整脈の診療に関するガイドライン (2017 年改訂版)
2)Electrophysiological Mechanisms Underlying T-Wave Alternans and Their Role in Arrhythmogenesis. Front Physiol. 2021 Mar 4;12:614946.←細胞・組織レベルでの機序
3)Palpitations and Recurrent Syncope in a Young Woman. Circulation. 2024 Jan 30;149(5):402-405. ←CirculationのECGチャレンジ